強迫症
強迫症(強迫性障害)について
強迫症とは、自分の意思と関係なく生じる無意味で不合理な考え(強迫観念)や、行動(強迫行為)に支配されて、患者さんが苦痛を感じ、時間が浪費され、通常の社会生活が妨げられる病気です。
強迫観念とは
自分や他人を傷つけるのではないかと恐れたり、汚染、ウイルス、細菌などを過剰に恐れたりする思考のことです。身体への心配や、物事の対称性にこだわったりすることもあります。この不快な思考が、何度も反覆して頭の中に思い出されてきて、患者さんは不快感を常に感じ、通常の生活が妨げられます。
強迫行為とは
強迫観念の結果、不安が強く生じ、何度も確認や質問をしたり、手や身体を必要以上に洗ったり、計算や数をかぞえることをやめられなかったりします。物が捨てられず、溜め込んでしまうこともあります。
強迫観念や強迫行為は、患者さんの意思に反して、内部から突き上げてくるような強い衝動として感じられるので、やめようと思ってもなかなかやめられなくなります。強迫行為で不安が一時的に軽減しても、すぐにまた不安や強迫観念が強くやってくるので、繰り返しになり、悪循環となってしまいます。
その結果、患者さんは疲れてしまい、自尊心や向上心が低下し、また周囲の人を巻き込んで人間関係を悪化させてしまったり、学業や職業生活に大きな支障を生じることがあります。
強迫症の治療について
強迫症の治療は、薬物療法と認知行動療法です。薬物療法だけでは効果不十分といわれています。患者さん自身が、自分の強迫症状について客観的に捉え直し、不適応な行動を、新たな適応的行動に変えていく必要があります。
少し勇気が必要ですが、治療者と相談しながら、段階的に強迫行為を一時的にやめて、少し我慢してみるという方法(暴露反応妨害法)があります。
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